お手入れハウツー

着物カビ取り料金の相場

着物カビ取り料金の相場は?クリーニングの注意点も解説!

「着物がなんだかカビ臭い」「着物にカビを見つけてしまった」こんな時にはできるだけ早く「カビ取り」をしたいところですね。カビ菌は一度生えると、自分では除去することができません。どんどんカビ菌がはびこると、ひどいシミになってしまうんです。

着物のカビを取るには、専門のクリーニング店で「カビ取り」をしてもらいましょう。でもこの着物のカビ取りの料金って、値段の相場はいくらくらいなんでしょうか?

ここでは着物カビ取りクリーニングの料金相場や、クリーニングに出す場合の注意点について解説していきます。

着物カビ取り料金の値段・相場は?

「着物のカビ取り」とは、カビが生えている箇所を職人が特殊な溶剤で消毒・カビ除去し、オゾン消毒等をすることで繊維の奥のカビ菌まで死滅させるクリーニング方法です。着物のカビ臭さが気になる時や、白カビの発生が見られた時等に行います。

着物カビ取りクリーニングの料金相場

  • 9,000円~24,000円

着物カビ取りクリーニングの料金は、「着物の種類」で変動することが多いです。小紋・色無地等の一般的な着物(カジュアルシーンに着る着物等)の場合、カビ取り料金の相場は10,000円~16,000円位になります。

しかし留袖等のフォーマル向けの着物の場合、カビ取り料金の相場は2,000円~3,000円位アップして、12,000円~18,000円位になります。最もカビ取り料金相場が高くなりやすい着物が振袖で、これは相場が13,000円~24,000円位です。

長襦袢や帯、子ども向けのカジュアル着物等だとカビ取り料金相場はやや下がり、9,000円~15,000円位になります。

カビ取りができるお店は少ない

「カビ取り」を行うには、職人による手作業が必要になります。一般的なクリーニング(丸洗い)とは違い、専門的な技術や知識量が問われる洗浄方法です。

そのため着物のカビ取りを行えるお店は少ないのが現状です。職人の少なさ・手間がかかる洗浄であること等が、着物のカビ取り料金が丸洗いに比べて高額になりやすいことに影響を及ぼしています。

「丸洗い」ではカビは落ちません!

一般的な着物クリーニング方法である丸洗い(着物丸洗い)とは、石油系溶剤を使って専用の洗濯機で機械洗いをする方法です。この方法では消毒作用のある溶剤やオゾン消毒をしないので、カビ菌は除去できません。

洋服を洗う一般的なクリーニング店の「着物クリーニング」だと、メニューが「丸洗い」しか無いことも多いです。また激安系の着物クリーニング店でも「丸洗い」しかできない店舗が見られます。

このような店舗でいくらクリーニングをしてもカビ菌は取り切れず、再度カビ臭い匂いやカビのシミの発生が起こるので注意しましょう。

「カビ取り」以外も必要になるかも?

着物のカビの状態によっては、「着物カビ取り」ではカビが落ちきらなかったり、着物がキレイにならないこともあります。このような場合、別のお手入れ方法で着物を洗浄したり、シミを目立たなくさせていきます。

洗い張り

「洗い張り(あらいはり)」とは、着物をほどいて反物(布)の状態に戻し、専門の職人が丁寧に洗い上げる方法です。平安時代から続く伝統的な洗浄方法で、着物のひどい汚れを根本的に除去したい時等に用いられます。

  • 帯にカビが生えている
  • 帯がカビ臭い(カビ芯の取り替えが必要)
  • 着物のあちこちに広範囲にカビが生えている
  • 着物の縫い目(縫い糸)にもカビが生えている

上のようなカビによる被害が重い場合や、帯のカビを取る時には、「カビ取り」ではなく「洗い張り」が必要となることもあります。

洗い張りの料金相場は?

「洗い張り」を行う場合、「着物をほどく→洗う」というだけでなく、着物を元に戻すための仕立直し(縫直し)も必要になります。そのため「カビ取り」に比べると着物のクリーニング料金が高くなりやすいです。

洗い張りの着物クリーニング料金相場は、安い場合で5万円~7万円前後、高い場合だと10万円以上となります。

しみ抜き・漂白(黄変抜き)・染色補正

カビが生えてから何年も時間が経過すると、その部分が酸化して変色シミ(黄変)になってしまいます。さらに時間が経つと着物の染料をカビが破壊してしまい、着物自体が色抜け・変色を起こしていることもあります。

  • 黄色・オレンジ色・茶色のシミがある
  • 青緑・黒のシミができている
  • 着物の一部が変色している

このような状態になっている時には、カビ菌を除去するだけでは着物を元に戻せません。専門の職人による漂白作業や、色抜けした部分を染め直す作業等が必要になります。

カビのしみ抜き・黄変抜きの料金相場は?
  • 1箇所あたり 1,500円~2,000円(※直径1センチ程度を目安)

カビによるしみ抜きの料金は、シミの大きさ、変色の濃さ等によって変動するお店が多いです。シミが大きくなり、変色が濃くなるほど、段階的に料金が上がっていきます。

しみ抜き作業に入る前に着物を検品してもらい、見積もりを出してもらうようにしましょう。

染色補正の料金相場
  • 色掛け・染め替え 3万円~10万以上
  • 柄足し 1万円~5万以上

染色補正の料金については、その作業内容によって大きく料金が変動します。一部に小さな柄を足してシミを目立たなくする程度であれば1万円前後で済むこともあります、でも、全体を染め替えたり大きく柄を足す場合には、10万円近い予算が必要となることも。こちらも事前に要望を出しつつ、見積もりを出してもらって内容をすり合わせていくことが大切です。

裏地交換・仕立直し

カビを取ったり、漂白をしたりといった作業で対処ができるのは、着物の「表側」の布地だけです。着物の裏地(胴裏・袖裏等)は生地が薄くてデリケートなので、カビ取りのための洗浄や漂白等を行うことができません。

  • 胴裏にカビが生えている
  • 着物の裏地にカビのシミがある
  • カビ取りをしても裏地のカビの匂いが気になる

特に古い着物、何年も眠らせていた着物だと、裏地にカビのトラブルが起きていることが多いです。このような場合には、裏地を取り外して交換するか、着物の仕立て直しが必要になります。

裏地交換の料金相場
  • 胴裏交換(裏地代込)30,000円~40,000円

裏地交換の料金は、着物の種類で変動します。色無地・小紋等の場合だと、30000円~33,000円位の料金で裏地交換ができるお店が多いです。最も料金が高くなるのは比翼(ひよく)が付いている留袖で、中には料金が4万円を越えるお店もあります。

仕立直しの料金相場
  • 仕立直し料金 22,000円~40,000円(洗い張り料金 10,000円~15,000円)

仕立て直しは着物を一度ほどいて、縫直しをする方法です。仕立て直す際に好みのサイズに直すことができます。着物の場合には「縫込み」が多いため、サイズを小さくするだけでなく、場合によってはサイズを大きく直すことも可能です。

親から子へ、子から孫へと着物を受け継いでいく場合等には、新たな持ち主の体に合わせるために仕立て直しをした方がよいでしょう。

おわりに

着物に生えてしまったカビは、放っておくとどんどん広がって酷いシミになっていきます。「着物にカビを見つけた!」という時には、できるだけ早くカビ取りをしてカビ菌を根絶しておくことが大切です。

また着物は定期的に陰干しするだけでなく、タンスの中やクローゼットの中に湿気を溜め込まないようにしましょう。

着物悉皆屋:着物カビ取りクリーニング | 京都で一流職人のいる店 | 京都 きものサロン創夢

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