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江戸小紋

江戸小紋とは?特徴や歴史は?買取時の注意点も解説!

お茶のお稽古や観劇時に、お宮参りや七五三の時に母が着る着物として…幅広いシーンで使うことができるのが魅力の「江戸小紋(えど-こもん)」。その用途の幅広さから、お着物をよく着る方のタンスには「江戸小紋」が一枚は入っているとも言われています。

しかしメジャーな着物の種類である分、「家族が江戸小紋を着ていたけれど、自分は着ないし…」とお困りの方、「しばらく着物を着なそうだから、江戸小紋を手放したい」という方も多いかもしれません。今回はこの「江戸小紋」について、その特徴や歴史、制作方法、着物買取業者に売りに出す場合の注意点等をご紹介していきます。

江戸小紋とは?

江戸小紋
江戸小紋とは、「小紋染め(こもんぞめ)」という全体的に柄染をした着物の種類で、なおかつ非常に細かい柄行で型染めをしたものを指します。「柄染め」とは言いますが、一見すると「無地」に見えるほど柄が細かいのが江戸小紋の特徴。間近で見てはじめて「柄がある!」ということがわかるのです。

このような特徴があることから「江戸小紋」はその他の小紋(京小紋等)とは着物の格・着用シーン等が大きく異なります。

【一般的な小紋】
全体的に柄を散らした着物。訪問着や留袖とは異なり、柄がひとつづきに続かずにあちこちに飛んでいる。柄は大きく、柄物であることはすぐわかる。色は数色使われることが多い。

●着物の格としては「普段着」「おしゃれ着」の扱い
●着用シーンは普段のお買い物、デート等。格の高い場やオフィシャルな場、フォーマルな場には着用できない。

【江戸小紋】
一般的な小紋と同様、柄は全体にある。しかし柄が非常に細かく、色使いは基本的に単色。そのため着物の種類でいう「色無地(いろむじ)」に近く見える。着物の格・着用シーンは「色無地」に準ずる。

●一つ紋(家紋)を入れた場合、準礼装・略礼装(フォーマル服)として着用が可能。大きなお茶会やパーティー、お宮参り、式典、披露宴等にも使用できる
●紋無しの場合でも、観劇・お茶の稽古等、比較的格の高い着物が求められる場に着用が可能

上記のような使用シーンの幅広さがあることで、江戸小紋は人気があります。そのため中古着物の需要も常にあり、江戸小紋の買取価格は比較的高い水準を保っています。

江戸小紋の歴史

かみしも
江戸小紋の発祥は、江戸時代の武士達が着用した裃(かみしも)にさかのぼると考えられています。江戸には全国から武士が集まったため、幕府はそれぞれの藩が判別できるよう、裃に藩によって違う柄を入れることを定めました。そこで各藩は、こぞって柄入の着物や小物を取り入れるようになったのです。

このブームは徐々に庶民たちに伝わり、元禄頃には人気者の歌舞伎役者達等が「柄入り(小紋)」を取り入れるように。ところが幕府がハデな柄を禁止する令状を出したため、彼らは「一見すると無地に見える」という柄ものを考え出しました。

一見すると無地、でもよく見ると柄がある」という小紋は、粋でいなせなオシャレを好む江戸っ子達に爆発的に流行します。「より細かく、より規則正しく」と、柄の入れ方にも工夫が凝らされるようになり、型染めの技術も年々向上されていきました。

この小紋柄と型染の技術は、昭和29年に文部省の外局であり現在の文化庁の前身である「文化財保護委員会」から「江戸小紋」と名付けられます。他の小紋とは区別されるようになり、現在に至るのです。

江戸小紋の作り方

1)地張り(じばり):長さ7メートル・幅40センチ少々の板に糊を塗り、白い生地をピッタリと貼り付けます。
2)型付け(かたつけ):一晩水に漬けておいた型紙を生地の上に置き、防染糊(ぼうせんのり)を塗りつけていきます。
型紙の大きさは30センチ程度なので、糊を置くためには型紙を置く作業を数十回も繰り返さなくてはいけません。柄がズレないように継ぐのがとてもむずかしい工程です。
3)地染め(じぞめ):生地を乾かしてから、色糊(いろこ)を置いていきます。色糊をヘラでしごくように置いていくため、「しごき染」とも呼ばれます。
4)蒸し:生地全体におが屑を撒いて、生地を蒸します。蒸すことで染料が発色し、キレイに色が定着します。おが屑を撒くことで、熱・蒸気が生地全体に均等に行き渡ります。
5)水もと:糊を水で洗い流します。防染糊を置いてある箇所は染色されないため、白く染め抜かれます。
6)湯のし:蒸気でシワを伸ばし、生地の形を整えます。
7)地直し(じなおし):染めムラがある場合、その部分を筆や刷毛で修正します。

江戸小紋の特徴

柄で格が変わる

江戸小紋には様々が柄がありますが、中でも下記の3つは格の高い柄(フォーマル向けの柄)とされています。

【江戸小紋三役】
・鮫(さめ)
・通し(とおし)
・行儀(ぎょうぎ)

またさらに二種類を加えて、「江戸小紋五役」として考えられることもあります。

【江戸小紋五役】
上の3種類に更に以下の2種類を加える
・縞(しま)
・大小あられ

他の柄とこの五つの柄では、着物の格や着用できるシーンが変わるのです。フォーマルシーンに着るのであれば、上記の三役・もしくは五役のうちのいずれかを選ぶ必要があります。

紋によって格が変わる

「江戸小紋とは」でも解説しましたが、江戸小紋は「家紋(かもん)の有無で着物の格が変わります。背中に一つ紋を入れてある場合には「略礼装(りゃくれいそう・略式の礼装のこと)」として考えられ、礼服(フォーマル服)としての着用が可能です。結婚式・披露宴等に着るのであれば、家紋入りというわけですね。

紋無しの場合には少し格が下がって「社交着」という扱いになります。しかし完全なカジュアル服である「小紋」に比べて格が高いので、こちらも着用シーンは幅広いです。

江戸小紋を買取業者に売る場合の注意点

柄をチェックしてみましょう

前述のとおり、江戸小紋は柄行によって格が上下します。一般的には、格調の高い場にも着て行ける「江戸小紋三役(もしくは五役)」が需要が高く、中古着物でも人気があると考えた方が良いでしょう。

「鮫」「通し」「行儀」等の柄の方が、江戸小紋を高額買取して貰える確率は高くなります。どのような柄になっているか、よくチェックをしてみましょう。

「極鮫」「極通し」ならさらに高額に

江戸小紋には、さらに細かな文様として「極(ごく)」というものがあります。3センチ四方に穴を900個以上も開けて作ったという非常に繊細な型紙で染められたもので、それぞれ「極鮫」「極通し」等と呼ばれます。

これらの技法は非常に貴重なものであり、一般的な鮫文様(並鮫と呼ばれます)に比べて江戸小紋の買取価格が高くなる可能性が非常に高いです。

作家作品の場合には「証紙」を用意

江戸小紋の中でも、特に高値で取引されるのが有名作家の作品・人間国宝による作品です。例えば小宮正孝氏の作品や藍田正雄氏の作品であれば、驚きの高額査定が出る可能性も少なくありません。

しかしこれらの製品の品質を保証するには、着物単体ではなく「証紙(証明書)」があった方が良いでしょう。より高い買取価格となるように、証紙・証明書が残されていないか確認することをおすすめします。

おわりに

江戸小紋の特徴や歴史はいかがだったでしょうか。江戸小紋は比較的メジャーな技法である分、浴衣(ゆかた)の柄に使われていたり、「東レシルック」というポリエステル着物に使われていることもあります。「どのような素材で作られているのか」という点でも買取価格が大きく上下するのでご注意ください。

「いま持っている江戸小紋の価値がわからない…」という場合には、着物鑑定士等の専門家が在籍する着物専門買取業者に査定してもらうことをおすすめします。現在では無料査定を行っている店舗も多いので「とりあえず価値だけ確認したい」という時にも相談できますよ。

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